一緒に棺桶に入れて貰いたいこの13枚

 

 最近はあまり真剣にジャズもクラシックも聴いていませんね、ジャズやニューミュージックのお気に入りをCD−Rに焼いてイージーに聴いている位です。特にと云えば千住明に凝っています、バイリニストの千住真理子の兄が作曲家だと云う事は昔から知っていたのですが、NHKの「映像の20世紀 日本」とかドラマ「バブル」、新しいところでは朝の連ドラ「ほんまもん」の音楽を担当しています。

 

ジャズ編

John Coltrane / Ol'e (Atlantic)

 私のJAZZ開眼の1枚、18才頃だろうか、それまでクラシック一辺倒だった私に先輩が貸してくれた1枚、「50年代の前衛、60年代の主流」と解説された。

 私はコルトレーンに関してはアトランチック時代からインパルス初期のものが好きである。「至上の愛」以降はどうも神憑っていけない。

 アトランチック時代といえば「マイ・フェバリット・シングス」と「ジャイアント・ステップス」が有名だが、3管に2ベースという編成のこのアルバムはコルトレーンを語る上では外せない、私にとっては至上の一枚である。

 

Eric Dolphy / Last Date

 タイトル通り、1961年にヨーロッパで客死した Eric Dolphy のラストレコーディング。このレコードを無二の作品とするジャズ・ファンは多い。

 特筆すべきはバックのピアノのメンゲルベルク他のヨーロッパのジャズメンの演奏の素晴らしさで、直前のプレスティッジ盤3部作とは格段の開きがある。在米の黒人ジャズメン以上にドルフィーの音楽を支えている。

 なおジャケットはイラストのものが秀逸だが、LPがスキャナできないもので...

 

The Modern Touch / Beeny Golson

(1957 Riverside)

 いやあ、さすがにコルトレーンとかドルフイばかりだと疲れてしまう。ハード・バップ期にゴルソン・ハーモニーと呼ばれるウォームなサウンドを確立し、ジャズ・メッセンジャーズ等にアレンジを提供したサックス走者、べニー・ゴルソン。しかし私はこのサウンドが好きだとはっきり云える人に出会った事がない。やはりダサいんだろうな。

 残念な事にアルバムの全ての曲が良いなんてない訳、特にこの人の場合。Out Of Past 1曲だけでも価値はあるけど、CD−Rでも焼きますか、モダン・アートなんかと組み合わせて。

 

Charlie Parker with Strings

(1949-1950 Verve)

 不世出の天才アルト奏者と云うより、JAZZノの巨人チャーリー・パーカーの貴重な多くの録音からこの一枚を選ぶと、失笑どころか軽蔑するパーカー・ファンもいたりして。

 天才インプロバイザーがストリングスをバックに演奏するこの一枚、とにかくパーカーのアルトは良く歌う。

クラシック編

Anton Bruckner / Symphony No.8 

George Szell / Cleveland Orchestra

(1969 CBS)

 とにかくブルックナーの音楽は、最初はその冗長さが退屈だけだった。友人に借りたズビン・メ−タ指揮の第9番あたりから何となく聞ける様になったのたが、セル/クリーブランドのこの8番の演奏を手に入れてから、ブルックナ−は好きな作曲家の一人となった。この演奏が決して8番の正統的な演奏とは言い難いが、クリーブランド管のクールとも言える緻密な演奏とセルならでは厳格さが、ブルックナーの音楽のある魅力を表現していると言える。

 8番は結構色々な指揮者の演奏を持っているのだが、ジュリーニ盤とカラヤン盤がお気に入り。重量感と言う点ではそちらが上。しかし6番以前は持っているものの、余り聞く事がない、こんな事を言うとブルックナーファンからは「本当にブルックナーを理解していない」と言われそうだが。

 

Gustav Mahler / Symphony No.3

Gary Bertine / Kolner RSO

(1985 EMI)

 マーラーのこの一枚となればやはり第9番をあげるべきなのだろうが。第1楽章、想像のつかないまでに展開された主題はバッハ、ベ−ト−ベン以降、確立されたソナタ形式の終焉というか、ロマン派音楽の集大成というか、その作品の偉大さは比べるべくもない。

 選んだ第3番は若きマーラーの「角笛3部作」といわれる3部作のひとつ、とにかくその天国的な長さ。アダージョといえば第5番が有名だか、この作品の第6楽章は感情に流れない偉大な美しさ。最初に聞いた録音はホーレンシュタイン盤だったが、アバド盤とこのガルティーニ盤がお奨め、来日して東京でマーラー・チクルスなんてやったが、大阪では聞けないよね。この人、7番の演奏も良いが、6番はちょっとね。

 

Johannes Brahms / Symphony No.4

Victor De Sabata / Berliner PO

(Grammophon)

 少年時代におざなりの名曲集から交響曲に目覚めたのはブラームスの交響曲第1番であった。友人宅にあったコンサート・ホール・ソサエティという通信販売のレコードで、ヨゼフ・クリップスのウィーン交響楽団、決して一流とは言い難い演奏だったが、最初に聞いた演奏というのは、どうも自分の中でリファレンスになってしまう。

 第4番といえば、やはりワルター盤、人はモノラル録音のニューヨーク・フィル盤が良いというが、私は寄せ集めの録音用オケと云われようともコロンピア交響楽団が好きである。

 ヴィクトル・デ・サバタはトスカニーニの葬儀の演奏を努めたイタリアの名指揮者、イタリアオペラを除けば録音は少なく、現在入手できるものも皆無に近い。友人宅にイタリア・オペラの歌手を揃えたモーツァルトのレクイエムがあった、これはかなりのキワ物だったが、もう一度聞いてみたい。

 

P.I.Tchaikovsky & J.Sibelius Violin Concerto

Viktoria Mullova (Violin ) 

Seiji Ozawa / Boston Symphony Orchestra

(Philips)

 私が始めて自分のお金で買ったクラシックのレコードはフランチェスカッティのシベリウスとブルッフのバイオリン協奏曲であった。1枚のレコードを決めるのに2〜3時間、心斎橋のレコード屋の売り場をウロウロした。

 ジベリウスの協奏曲は長らく、チョン・キョンファのものが愛聴盤だったが、このロシアのお姉さんの力強い演奏には脱帽。

 

ウォーカル編

In The Wee Small Hours / Frank Sinatra

 (1955 Capitol)

 

 シナトラの最高傑作と云えば、やはりキャピトル時代のこの作品にとどめをさすだろう、もともとは2枚の10吋LPとしてリリースされたものだそうだが。晩年の作品にもそれなりの魅力はあるが、全盛期のシナトラの声とネルソン・リドル楽団のバックが最高。シナトラの次点はカウント・ベイシーとの競演盤あたりかな。

 

Bidin' My Time / Teddy King

 

 さて女性ヴォーカルとなるとちと困ってしまう、それだけで棺桶が一杯になって、私の入る余地が無くなってしまう。

 エラ、サラ、ダイナ、それにヘレン・メリルだったら、きっと他の誰かがあの世に持ってくるだろう、そこで私だけの1枚。ジャズ・ヴォーカルと云うより、アメリカの歌謡曲と云う感じもしないではないが。

 

Here Comes Sun / Nina Simone

(1971)

 

 私にとっては、ちと毛色の変わった1枚。ニーナ・シモンがビードルズ・ナンバーや「マイ・ウェイ」を歌った作品。

ニューミュージック編

 紅雀 / 松任谷 由実

(1978 東芝)

 

 ユーミン結婚後の最初のアルバム、おそらくは1番売れなかったLPではなかろうか。若い頃はプチブルソングとか言って、聞く処か、一番に軽蔑した音楽家だったユーミンを聞くようになったのは、20歳代も半ばを過ぎてから、出会いは映画「凍河」に「朝陽の中で微笑んで」(ハイファイセット)が使われていてから、今も良いか悪いかは別として新作アルバムは買い続けている。

 

 同時期に「潮風に吹かれて」「消灯飛行」と云うEP盤が存在し、愛聴盤だが、私の記憶では、何故か過去にオムニバスLPとして収録された事はあるものの、CDアルバム化されていない。(シングルCDは存在)

 サウンドはユーミンのアルバムの中では最もアコ−ステイックなもの、大仰な言い方だが、過渡期ゆえに私はこの時代のユーミンの音楽にある種の緊張感を感じる。

 

HOT BABY / 尾崎 亜美

(1982 Canyon)

 

 東芝からの移籍第一作として海外のアレンジャーとミュージシャンを採用して、おそらく尾崎亜美のひとつの転換点となるアルバムに違いなかったはずである、だが正直云って残念な事にその後のアルバムに秀でたものが見られない。尾崎亜美の作品ひとつひとつは前後に良いものはあるのだけど、アルバム全体の完成度と云う点では他に並ぶものはない。収録曲中「心に残るワイン」と「蒼夜曲」は後に再録されているが、軽くヴィヴラートを効かせた歌い方は魅力的だが、アルバムタイトルの「ラピス・ラズリ」にこだわった様な録音で減点。